::過去の会員作品

≪早稲田短歌会OG・OBの方々の作品です。(作者五十音順)≫

真夜中に、僕は透明人間と、目を合わさずに本を読んでる。(石井輝馬)

小春日に誤り咲ける桜ありて 私は晶子それとも登美子(石川暁子)

族長の望遠鏡が覗く箸のうごき カンブリア紀の吉野家牛丼
クリームソーダに蒼き泡は立ちてをり 族長の聖書は開かれたまま
トイレから姿を消して三年の族長は机にラーメンをのこして(河村壽仁)

てのひらで幹のぬくみを確かめて二月如月走り出したい
スキップで木洩れ日の中かけて行く少女に抱かれている雪柳
曼珠沙華きりきり燃えて葬らえよ始まりさえもこの恋もてぬ(木村瑞穂)

「この雨はすぐやむ雨」と言い切ってたとえば海へ連れていってよ(清水寿子)

朝練で白いハードル片づけたときに仰いだ空が真実
初キスはアクエリアスの味がした 吾は立ちたる夜の惑星
また来るといってそのまま置いてった青い櫛だけあの夏の中(白辺いづみ)

痛み持つ韻詩漂う秋風にユースの終わり不意に告げられ
窓越えてプリズム反射投げかける川に目細め大人になりゆく(天道なお)

「絶対」もたかがしれてる物置に百人乗っても大丈夫でも
ほんとうにまわりを大事にしていたか思い出したい むすんで、ひらいて
「必読の書」を読まないでここにいるト音記号のぐるぐるあたり(當麻智子)

水はいつか森の胸郭へと還るそのみちのりをあゆめばひとり
更に遙かに海は僕から遠離り時計は人に嘘を教える(間崎和明)

吾のみが知る君が秋 小春日に狂ふ桜の臙脂を語れ(宮沢英邦)

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