谷川 由里子
たましいが皮膚にとどまってくれないミルクのない木曜のシリアル
ふとみるといつもあたしをみていないおおきな瞳がすきだったのよ
鳥は空をゆく ユノの月に生まれたひかりは剥がれおちて鮮血
告白は記憶にしたというきみの耳を脱ぐ 鼓膜うつくしく泣く
断片をはためかすことで(きみはなにか)由来をひとつ忘れさせてく
窓枠がなくなればいい「ここまでを空といいます」ぶちこわします
ひとりきりビルのトップにのこされた赤いクレーンのようにさみしい
窓にうつる自画像はすきとおってく後頭部からふとくる夜明け
絨毯をあるく 想像とはちがう音をたしかにしっている
それは壁じゃない青むらさきのセル白昼夢セル 強行突破セル
ジグソーパズルはきらいです/世界はやがてくだかれました
ゆっくりとニュースは文字になりました神のくにのおはなしのよう
アンテナを土にうめようとおもうよふくらはぎの切り傷がいたい
さんざんと跳ねあがりあふれさせたね りんどうが水をすいあげる間
鍵盤をかくすギザギザ布のよう切りきざんであげる欲情
死ぬまでにしたことはひとつ なにもない地平線の上 くちびるとくちびる
めにみえるものよ途絶えてめにみえぬものに思想を(音感のある)
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