マンガ

永井 祐

音楽が鳴る、歩道橋みえる、一歩も動けない、夜と月の世界

体育館の前で弁当広げてる もしもし、もしもし、こっちは夜だ

はじめて1コ笑いを取った、アルバイトはじめてちょうど一月目の日

映画館の座席のひじを握りしめ散る満開の桜を思う

三日月が出ていたことを知ったのはエレベーターを待っていたとき

公園の丘に登ればなんとなく地球が丸いことを感じる

のどがいたいままで眠れば声がする月の方から鳴くコオロギの

電車の音で電話の声が聞こえない 鉄橋の下、マンガをつかむ

つめえりを着ていた僕にふりそそぐ国道脇の神社の霰

六月の電車のドアに寄りかかりながら女は夢を話した

星空を部屋の中から見つめようもう友達のいらない頃に

風呂やめてはだかで眠れ草原の若い肉食動物のよに

秋風が吹きつけているマンションに黒いギターとポットは静か

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