::Planet of the children 田中創 |
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はるか昔、人々が、月光を忌み嫌っていた時代…… 塔建てて月を生け捕り地に埋めた二度と闇夜を侵さぬように a しかし、その光を知らずに生まれ、それが何かを知りたがる者たちもいた…… 子供たち地中の月を掘り起こし禁忌の光浴びる真夜かな a 円環の中の衛星覚醒し映画館の闇でわれ公転す 蛸去りし後の乾いた砂浜を進め白骨化した市営バス 蝶一頭指の間に遊ばせてもはや自分がだれか忘れぬ 劇場の墓場が広がる大洋に永遠に遊べ子供の私よ 家々が寝静まったあとガレージで自転車は月に行く夢視ている エレベーター 直方体の空気明朝つ詰め私の言葉空に散らせよ 街が冬に魅入られてから 錆びついたピアノは 自分の音に気づいた 水槽にまがいものの水満たそうか体無き魚迎えるために a 蜂二匹夏の空切りとっていく 青い破片は冬に翔んでく a ハイウェイの中途で煙に君はなる今夜は永い夢を視そうな a 「ゲームだよ」 砂塵拡がる平面に片足で立つ 「水が視えるね」 a 街中の白い灯りを脱け出して工場で逢う蜜蜂の夜 深海で二つのコイルほどけあい雨は生まれた音は生まれた 鳩時計巣穴の奥のシステムに凍れる星降る夜はまた閉じ 手の中で竜巻起こる放課後に 風が絶滅したあとのこと ねえぼくら目の開け方も忘れてる子午線が団地分かつときまで 雷が今朝新聞に挟まって不在の家族を賑わせたとか 仔豚来てみえすいた嘘を一つつきまた野に帰る夏の午後かな 踏み切りの浮遊霊が僕の手にどこまでも続く布をかけてく 手にとりて想えばきっと夢も醒め……その日世界中のスプーンが曲がった この世にも影無きものがあっていい海で生まれた火を絶やさない きみの住む町のどこかに忘れてきた光閉じ込めた一本の傘 |
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