::マッドシティー・グラフィティー　天道なお

マッドシティー・グラフィティー

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千葉県松戸市、江戸川を挟んで東京都に隣接する。名物は矢切の渡し、茄子の余一漬け。
駅前は江戸時代の宿場町の面影を残しつつも、現在はファッションビルとキャバクラが立ち並ぶ。
そんな町に十代前半の時期を過ごした私にとって、東京は近くありながらもひたすら遠かった。

天道　なお

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駅裏の神社の絵馬に　「松戸にもＨＭＶができますように。」

この道を行こかもどろか迷ってる　旧宿場町の区画に迷う

マジやべえマジやべえって猿以下の言葉ばかりを吐くイチカワは

かりそめのカリスマ牧師養成所清掃員ならなれるよきっと

さかなへんにブルーと書けばしっぽだけ変種の鯖が逃げていきます

笑い声上げて走った夏祭り　神社の裏で見たセックスよ

殴ったら殴り返してくるような男だけしかいない、ここには

童貞はさよなら　君の行く道は果てなく遠いカブールよりも

マルボロの吸い方云々考えるヒマはあってもバイトはしない

鉄橋を行き交う車みな白くボンタンアメが溶ける堤防

ジェット機を待とうキャラメルたべながらふたり寝転ぶグラウンド・ゼロ

飴色の雲ちぎれれば大気澄む　アンディ・フグは帰ってこない

あおぞらに透かしてみてもまっくろな封筒だからやぶって捨てた

ひょっこりと雨の日の午後やってきたおさななじみとスイカをたべた

あの角の自販機までの５メートル命をかけて歩いてみせた

国道のラーメン屋の前停車するスピードキング・フロム・トーキョー

まだ熱い背中に耳をつけて聞くハーレーダビットソンの孤独を

終着も執着もない夜だから　ただ南下する・ロングドライブ

チョーカーが夜の鎖骨にゆれている　　　サイレン響く国道６号