::ブルーマテリアルレスネス 五島諭 |
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海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている 寝違えた首を回して振り向くと口笛を吹きそうな雲たち 気の置けない歌が詠めないのはきっとミトンをはめていたからだろう 涙腺がはじけるような感動とまちがえるほど寒い夜です 役に立たないギターが部屋の真ん中にあると思うととけない頬杖 ストーブの上のやかんにおおかみの毛色も深く沈むくつくつ 夜の霧はいのちをつつみ込むようでああ街灯が息をしている ざきざきと寒のメロンを食べましただれかの知人が線路で死んで 音の出るリコーダーなら下さいとどこかで口に出した気がする 星空は見上げるためにあるもので小さな頃からある泣きぼくろ カポつけてギターを弾いた白茶けたドライフラワーに水やるように 食べ物の名前だけでもエジプトの椅子の数ほどあるのだろうか 風の日に青がたりない 消しゴムをこまかく割っていた友人よ 紺色のガラスが降ってくるような気がして怖くなる時計店 「空耳」にすこし長めのルビをふる「しろじにしろのみずたまもよう」 店先に並べられてるTシャツを好きなだけ破ることはできない 目を閉じたまま上を見る/横浜も新横浜も夜明けへ向かう 手の甲にひとつ雨粒 その中は鏡がなにも映さない場所 ぼんやりと横須賀線を見送った目の裏側をだれかが歩く |
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