::題詠吟行十番勝負と近詠四首 永井祐 |
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<マヨネーズ> 「こうやるとよく出るんだ」とマヨネーズ逆さまに置く人の夭折 <食べ物> 完璧なレモンの形を描きながら天使のような図書委員長 <百円> 百円でガリガリ君が一つしか買えないことを告発に行く <きのこ> 胞子のころ言われたことに傷ついて話し手の目を見れないきのこ <もみじ> もみじ好き女とふたり魂はあるかないかで言い合いをする <恋> a 月島・銀座吟行詠 <月島にて> 月島の中央にある真っ暗なもんじゃ焼き屋で挙げる葬式 <築地小水族館にて> 毒入りの魚が両目を合わそうと体を向けたこっちの方に <築地本願寺にて> 椅子の背にもたれかかって仏像をカモの名前で呼んだら静か a 近詠 頭ごと抱かれながらまっすぐに金色をしたノブを見ている 腹減って筋肉痛で向かい合う夜の桜に目が眩むこと 地下鉄と話をしよう風呂上りもう真っ暗な街に出かけて 人生のいつかどこかで傷ついた人が浮かべた七色の汗 |
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