::足音 小林友紀子

アスファルト白くけぶれる雨のなか夢かうつつか遮断機おりる

すれちがふ人みな長き尾をひきて街はいまだにとほい水底

雨の夜の急カーブにて対向車眼つらねてわれに迫り来

大空を隔つる風の壁やある鳥たちの群れ急旋回す

君をのみ恋ひつつ飛べば曇天の空を忘れて堕ちてゆく鳥

携帯の電波とぎれる一瞬をわれら無人の砂塵に立てり

かうかうとオレンジの灯のともりゐる隣家の窓に人影は見ゆ

階くだりくるはずのなき足音よ夜は真綿のやうにしづまる

わが部屋に潮満ちくれば天窓ゆもるる光の砂浜狭し

半身の青を求めよ――もはやわが何も思はず彗星を追う

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