::ラブ・オブ・カラー 二又 千文

咲き並ぶ紅白白紅(あかしろしろあか)はなみずき 明日もあさっても君とすごそう

逆光に透けてまばゆししろたえのTシャツふいにこなつの香する

ピンヒール履いてみましたくもりのち晴れと識ってる今日記念して

唇に泡を纏いてあどけなし ビール呑む君うたがいはなし

ぬばたまの夜をつれ来るものとして午前10時に待つ黒マーチ

たっぷりのギャザーの白に触れようとしてゆき場なき少年の掌(たな)

スカートのほどけて紐の引力に委ねてわれはみずいろ玩具

濃紺の夜にうたいだす枕 吾(あ)の脳のぬくみをやさしく抱いて

ま白きは骨かもしれぬ シャンブレー・シーツに埋まる肌はしずかに

甘栗の皮剥くときのかすかなる痛みをもってわれを愛せよ

まな板のうえのうろこのごとくきら・きらひかるのはだれかのなみだ?

水面のみどりはぬらり汗をかく ちいさきめまいにも似た夏くる

からんころん泣いたのは下駄 ひとり行きひとり帰りし夏祭の夜

みずからを突きぬくものとして朝に確かめているピアスホール

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