::不敗神話　永井　祐

戦争の前に遊ぼう輪になってみんなでパックのジュースを飲んで

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「人生は苦しい」（たけし）「人生はなんと美しい」（故モォーツアルト)

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友達にもらった帽子砂利の上逆さにかぶってニコニコしてた

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勝たなけりゃ神話が終わる駿馬いて西陽が降ればゲートに入る

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憂うつな顔してアドリブ冗談を空は青くて雲が流れる

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デパートの地下の食品売場にて一度話した十四の女

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春生まれペンギン歩きの友達は魂のリアル・ロックンローラー

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ここにいる全員が好き フィルターがトマトジュースに赤く染まって

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今日とても小さく見える置時計　針が爆音たてて傾く

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白壁にタバコの灰で字を書こう思いつかないこすりつけよう

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回るアレ出さない床屋は久々に陽気の似合う年上の女

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まごうことなき弱者たる友達が共産主義の欠陥を説く

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透明のエレベーターで前髪の分け目に舌で触れたら一つ

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いつもより少し早めに乗る電車の窓を見るよな柄の雄犬

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一本のコードを買っておたがいの首にプラグをさし合う日　雨

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「今までで今日が一ばん最高の日」ペットボトルのみどり 逆光